Power Poseの使い方
DazStudioにはポーズをつけるための専用パネルがいくつかあります。今回はポーズをつける際に強力なツールである、PowerPoseについてご紹介していきます。
PowerPoseウインドウが表示されていない場合、メインメニューの[window]から呼び出せます。
[window]→[Panes(Tabs)]→[PowerPose]
呼び出したPowerPoseウインドウは、既存のレイアウトにドッキングすることも可能です。

この人体の丸い部分を操作することで、対応したフィギュアの関節を動かすことができます。
マウスの操作で関節が動くのですが、実は選択をした関節の部分によって動作が異なります。
例えば足の膝を曲げる時はマウスの上下で曲がります。ですが、腕の肘を動かす場合はマウスの左右で曲がるようになっています。人体の構造によって動かす方向が異なるようになっており、直感的に動かすことができます。
選択した関節の操作方法はパネルの下のほうにある、[Controls]に表示されています。
パネル上部にはSourceと書かれた欄があります。
Template Set:選択したフィギュアに設定されているPowerPoseのテンプレートセット
Template:テンプレートセットのうちどのテンプレートを使うか
フィギュアにはPowerPoseで利用するための、関節の部位を登録したテンプレートセットがあります。現在紹介しているのはGenesis8の操作方法ですが、販売されているオリジナルフィギアには別のテンプレートセットが登録されています。
そのため、オリジナルフィギュアの場合は操作画面が異なる場合があります。
Genesis8のPowerPoseテンプレート
Genesis8で登録されているテンプレートは、全身・頭・手・表情の4つです。テンプレートの切り替えは、Templateのドロップダウンメニューから選ぶか、右矢印マークの付いた手や顔などといったアイコンから選択することができます。

Genesis8のテンプレートが表示されない場合、適切にテンプレートをダウンロードできていない可能性があります。DIMを起動して、Genesis 8 Female(またはMale) PowerPose Templatesをダウンロードしてください
全身のテンプレート
全身を操作するテンプレート画面では、個別の関節を動かすだけではなく、右腕全体や右足、頭部といった塊でまとめて動かすことができます。これによりキャラクターに大まかな動きをつけることができるようになっています。
手のテンプレート
手を操作するテンプレート画面では、全身を操作するテンプレートと同様に指を個別に動かせるだけではなく、指全体を折り曲げたり指定した指だけを折り曲げたりできます。これによりより繊細にポーズをつけることができます。
顔のテンプレート
顔を動かすテンプレート画面では、表情を大まかに操ることができます。パラメータを個別に操作するよりも直感的に動かせます。目の向きや、まばたき、口の開閉などもできるので、簡単に表情の豊かなキャラクターを作ることができます。
PowerPoseで関節をピン止めするには?

PowerPoseでピンを利用した固定もできます。CTRLキーを押しながらピンで固定したい場所を選択します。するとピンのマークが表示されますので、これで固定ができました。反対に解除する場合も同様で、CTRLキーを押しながらピンを打った場所をクリックするだけで解除されます。
ビューポートでのピンで固定する方法とは互換性はありません
ただ、固定といってもPowerPoseで操作するとピンの効果は働かず、ビューポートで操作しても固定されていることが分かりません。Power Poseでのピンうちですが、適用するにはポージング専用のツールである[ActivePose]ツールを利用する必要があります。

利用するツールが変わりますので、ビューポート上でピンを打つ方法と、Power Poseでピンを打つ方法では互換性はありません。別のツールだと考えましょう。
たとえばビューポート上でピンを打ったとします。ですがPower Poseにはピンの情報は反映されず、Power Poseの表示画面ににもピンが打たれたという表示はでません。逆の場合も同様です。
ActivePoseの使い方
ピンの効果を出すにはActivePoseツールを利用する必要があります。ActivePoseツールはポーズを取らせるための専用のツールです。
すこし癖の強いツールですが、慣れれば意外と便利に使えます。
ActivePoseツールを利用するにはいくつか方法があります。
- メインメニューのTools→ActivePose
- お使いのレイアウトにもよりますが、ビューポート上部の骨のアイコンをクリックする。(デフォルトのレイアウトでは表示されていません)
- tool Settingウインドウから選択する
どの選択方法で呼び出しても同じツールです。
なお、初期状態のツールはUniversalツールです。元に戻したいときはメインメニューTools→Universalで戻すことができます。
標準状態で利用すると、動作を取らせようとしてもフィギュアの反応が鈍く感じるかと思います。この違和感から、あまり活用されていない方も多いのではないでしょうか。
このActivePoseツールはカスタマイズしてこそ意味のあるツールです。そのため、ActivePoseツールを利用するにはtool Settingウインドウを表示しておく必要があります。
ActivePoseでは回転の細かい制御はできません。細かい回転やベンド、ツイストの制御をする場合はパワーポーズかプロパティパネルを利用して制御してください。
tool Settingを表示しよう
tool Settingウインドウが表示されていない場合、メインメニューの[window]から呼び出せます。
[window]→[Panes(Tabs)]→[tool Setting]
呼び出したtool Settingウインドウは、既存のレイアウトにドッキングすることも可能です。

Tool Settingを表示したら、さっそくActivePoseを選択してください。選択するとActivePoseツールが有効になり、Tool Settingでの表示も変わりました。
これでActivePoseを利用しながら、好みの状態にカスタマイズすることができるようになりました。
さて、初めてActivePoseをキャラクターに対して利用してみると、キャラクターの動きがユニバーサルツールで編集するのに比べて鈍いことに気が付きます。
ですが、この反応の状態はバーを操作することで変更することができます。さらに反応を早くしてユニバーサルツールと同程度にもできますし、逆に遅くして細かい動作の微調整をすることもできるようになります。

選択して表示されるコントローラが邪魔ならば消すこともできるので、ActivePoseの標準で表示されるコントローラが邪魔な方は消してみるのもいいでしょう。それでは、ActivePoseのセッティングについて紹介していきます。
ツールオプションの詳細
Toggle Pins:選択している対象のピンのオン・オフを切り替えをします。押すだけでピンが刺さります。
Un-Pin All:すべてのピンを取り除きます。
Pin Position:ピンで固定する位置を決定します。固定する場所によってピンの効果が変わります。
- Pin at Origin:オブジェクトの付け根・原点に固定します
- Pin at End:オブジェクトの先端・終点に固定します
- Pin at Both:オブジェクトを両方に固定します
Drag Position:ドラッグすると動く場所を変更できます。
- Drag at Center:ドラッグすると対象の中心が移動します
- Drag at Origin:ドラッグすると対象の付け根・始点が移動します
- Drag at End:ドラッグすると対象の先端・終点が移動します
Transform Gizmo:選択したときに表示されるコントローラの表示をOn・Offで切り替えられます。
Drawing Options:キャラクターの関節を動かした際の反応スピードを切り替えられます。早くするか遅くするかが選べますので、好みのスピードに調整してみてください。細かいポーズの調整をする際は、遅くして操作するとやりやすいです。
Selected Bone Stiffness Properties:このプロパティはボーンごとに設定されます。スライダーは関節の動きをどのていど硬くするかを決定します。スライダーを一番左に設定すると、選択したボーンのすべての関節で柔らかく動作します。スライダーを右に移動すると、関節が固くなり骨をできるだけ動かさないようになります。
Reset Bone Stiffness:選択したボーンの固さの設定をデフォルト値にリセットします。
Reset Fifure Stiffness:フィギュア全体のすべてのボーンの固さ設定をデフォルト値にリセットします。
Load Stiffness File:さまざまなフィギュアやボディパーツの設定を含んだPowerPoseのデータファイル(.dsx拡張子)をロードします。