Hollywood Blvdレイアウトでは、シーンペインはインターフェースの右側にあります。「Scene(シーン)」パネルには、シーンに読み込まれたすべてのアイテムのリストが表示されます。これには人物、衣類、小道具、カメラ、ライトなどが含まれます。
シーンパネルの重要性

アイテムをシーンに読み込むと、ビューポートに表示されます。それと同時ににシーンパネルにもリスト化されます。
では、なぜシーンパネルがそれほど重要なのでしょう。ビューポートですべてをすでに見ることができるにもかかわらず、なぜそれをリストで表示する必要があるのでしょうか?
- オブジェクト選択の効率化
- ペアレントの設定
答えはこの2つです。1つづつ解説していきます。その前にシーンパネルの基本について説明しておきます。
シーンパネルの基礎
シーンパネルでオブジェクトの選択を調整するのは簡単にできます。フィギュア、カメラ、ライト、小道具など、シーンパネルで選択可能なアイテムはすべて「Node(ノード)」と呼ばれています。
リストから選択したいノードを探して、クリックするだけで選択できます。
Ctrl / Cmdを押すか、Shiftを押して複数のアイテムを選択することもできます。
もちろんシーンパネルを使わないで、ビューポートでアイテムを選択することも可能です。ですがビューポートに複数のアイテムがある表示されている場合、雑多なオブジェクトの中から選択するのは少し面倒になります。そんな時はシーンパネルでアイテムを選択すると簡単に選択できます。
選択を解除するには、ビューポートの何もないところをクリックすると解除されます。

フィギュアに着せた衣装が気に入らず、削除したいと思った場合でもシーンパネルで削除ができます。不要なアイテムを選択し、DELキーを押すだけです。
選択オプションについて

シーンパネルを右クリックすると、選択と選択解除のオプションを含むメニューが開きます。
何もない場所を右クリックするか、オブジェクトを選択した状態で右クリックするかで表示されるメニューが少し変わります。
共通する機能
- Select:特定のオブジェクトを選択する
- Expand:ノードを展開する
- Collapse:展開されたノードを折りたたみます
Select:特定のオブジェクトを選択する
特定のオブジェクトをシーンパネルから選択するには、Selectにカーソルを合わせ、表示されるサブメニューから選びたい対象を選択する必要があります。Selectで選べる対象は以下のとおりです。

- SelectAll:すべて選択
- SelectAllFigures:すべてのフィギュアを選択
- SelectAllObjects:すべてのオブジェクトを選択
- SelectAllLights:すべてのライトを選択
- SelectAllCameras:すべてのライトを選択
- SelectAllDFoms:すべてのデフォーマを選択
選択したノードの下に階層がある場合のみ表示されます。
- SelectAllChildren:選択したノードの階層下にあるノードを全て選択する
- DeselectChildren:階層下のノードを選択している場合、選択が解除される
- Clear Selection:選択を解除する
- Invert Selection:選択を反転する
Expand:ノードを展開する
すべてのノードを展開するには、カーソルを[Expand]のサブメニューに置きます。次に「Epand All」アクションを選択すると、シーンパネルに存在するすべての階層が展開されます。
Collapse:展開されたノードを折りたたむ

3Dモデルの中には階層構造になっているものが多数あります。とくにキャラクターはその最たるものです。
ビューポートでキャラクターの頭を選択するとします。すると、シーンパネルでも頭のノードが自動的に選択されます。
その際に階層構造が展開されるのですが、頭の編集が終われば展開されたままだと邪魔になる時があります。
そんなとき、すべて折りたたむのにはどうすればいいのでしょう。すべて手動で折りたたむのも大変です。毎回だと面倒くさいですよね。
そんな時にはシーンパネルで右クリックをしてみてください!
すべてのノードを折りたたむ
整理したい場合、「Collapse」にカーソルを合わせ、「Collapse All」アクションを選択すると、すべての展開しているノードが折りたたまれます。
キーボードの矢印キーを使用して、シーンパネルの項目を移動・展開・折りたたむこともできます!
左は折りたたみ、右は展開、上下はノードの選択を変更できます。
オブジェクトの親子関係と効率的な管理について
オブジェクトの親子関係とは?
3Dの用語では、オブジェクトの親子関係のことをペアレントと呼びます。オブジェクトをペアレント化すると、オブジェクトを他のオブジェクトに一時的に関連付けることができるようになります。親オブジェクトが移動した場合、子オブジェクトがそれに従って移動するようになります。
ただし、逆に子オブジェクトが移動しても親オブジェクトは一緒に移動しません。
このことは小道具や環境の操作などに役立ちます。
オブジェクトをペアレント化して、親オブジェクトを移動や拡大、または回転したとします。すると子オブジェクトも一緒に移動や拡大、または回転することができます。
ペアレントの使い道
ペアレントには様々な利用の仕方があります。小道具をキャラクターの手に持たせ、手のスケルトンの階層の下にペアレントすると、腕を動かしても小道具が手に収まったままついてくるようになります。

作例としてキャラクターの周囲を、カメラが回るように撮影するムービを撮りたいとします。この場合、カメラを回転させる支点が必要になります。
シーンパネルの端にあるメニューをクリックします。すると表示されるリストから、Create→New Nullをクリックしてください。New Nullは位置情報だけを持つオブジェクトです。作成されたNullにカメラをドラッグ&ドロップで階層構造にペアレントします。これでNullを回転させるとカメラがNullを中心に回るようになりました。
あとはタイムラインでNullのY軸を回転させるアニメーションを作れば、キャラクターの周囲を回る映像ができます。
グループでまとめる

ペアレントで親子関係をつけるのは、シーン内のオブジェクトの整理でも役立ちます。1つのグループにまとめることで、シーンパネルでの管理がやりやすくなります。
1つのグループにまとめるには、まとめたいオブジェクトを選択した状態で、シーンパネルの端にあるメニューをクリックします。すると表示されるリストから、Create→New Groupを選択してください。あとはグループに名前をつけると設定は完了です。
ペアレントを解除するには

ペアレントを解除するには2つの方法があります。
・階層の中から選択し、マウスでドラッグ&ドロップで階層の外に出す。
・解除したい対象を選び、右クリックで表示されるメニューから、[Unparent”オブジェクト名”]をクリックすると解除できます。