ライトチャートリアル 簡単に屋外シーンのライトを調整する方法

皆さんは屋外のシーンをどのように作っているでしょうか?

ディスタントライトを配置して明るさを調整して、スポットライトで光の加減を調節して、最後にポイントライトで調整して。

たしかにその方法でもできるでしょう。ただ個別に設定するのは少し大変そうです。本チャートリアルでは、初心者でも簡単にセットすることができるスカイドームライトを用いたセットアップについて説明していきます。

屋外の陽光を再現する2つの方法

幻想的な風景を再現するのではない限り、基本的に屋外のシーンや大きな窓のがあるシーンは空と太陽の光のみで構成されています。

太陽光を再現したい場合、基本的にライトの構成はシンプルなほうがリアルに見えます。

ハイライトは太陽の光・色で構成され、影と環境光は空の色に影響をうけています。つまりディスタントライト1つと、スカイドームだけで再現することができます。スカイドームとは何かについては後ほど説明します。

また、屋外の光を再現するもう一つのの方法として、DazStudioはレンダリング設定で太陽光を再現する機能がついています。現実的な作品として屋外のシーンを作成したい場合、実はライトの設置すら不要です。

つまり太陽光を再現するにはDazStudioでは2つの方法があるというわけです。

太陽光を再現する2つの方法

  1. ディスタンスライト1つとスカイドームで構成する
  2. レンダリング設定のSun-Sky Onryを利用する

さてライティングチャートリアル第1回目の今回は、基本となる1の「ディスタンスライト1つとスカイドームで構成する」についてです。

それでは太陽光を再現する説明を始めていこうと思うのですが、そもそもなぜライトを設置するのかについて先に説明しておくことにしましょう。

初期設定でもリアルに見える理由

DazStudioは初心者でも簡単にレンダリングすることができます。

HDRI:デフォルトの青空

キャラクターを設置して、ライトを配置せずにレンダリングしたとしてもいい感じの画像を作ることができるはずです。このままでも屋外シーンと言っても通じそうなぐらいです。

ですが、なぜ何もライトを設定をしていないにもかかわらず、リアルに影までついた画像ができるのでしょうか。ライトの光源はどこにあるのでしょう。それは環境マップにhdri(ハイダイナミックレンジイメージ)の画像が指定されているからです。

HDRIとは何なのか

3DCGで現実的な環境を再現して、高品質なライトの調節をするのは大変難しい作業です。そこで高階調の画像に明暗・色などの実写風景を落としこみ、それを環境光として利用する手法がとられるようになりました。写真の明暗・色から光源の光や反射を再現し、3D空間に投影しています。

この画像こそが3DCGでいうところのhdriです。光源と環境の色を3Dオブジェクトに反映させることができます。

このhdriの画像が初期設定でセットされているので、初心者でも分からないままに綺麗にレンダリングすることができます。

hdriを利用して光源を確保している状態で、光の向きを変更したい場合があります。じつはhdriは360度の風景を撮影したドーム状の特殊な画像です。そのためスカイドームライトとも呼ばれます。光源の向きを変えるには、hdriの画像を回転させることで変えることができます。

hdriの画像は『HDRIHaven』様のサイトで無料でダウンロードできます。

画像のサイズによってダウンロードボタンがそれぞれあります。高解像度の画像ほどきれいに環境を再現できますが、ファイルのサイズが大きくレンダリング時間に影響が出ます。

今回はコチラの2Kの画像を利用させていただきました。初期設定の青空のhdri画像から、荒野の夕日の画像に変更してみました。

HDRI:デフォルトの青空

環境光が変わり、機体に映しだされている背景の光景が変化しました。そしてHDRIに写されている光源の太陽が夕日ですので、影の向きが変化し長く伸びています。

HDRIがあればライトは不要?

さてHDRI・スカイドームライトについては理解していただけたでしょうか。

それでは、このhdri画像が設定されていれば、ライトを配置しなくてもいいんじゃないのかと思うかもしれません。環境によっては、確かに無理にライトを設置する必要はありません。

ですがスカイドームライトだけでは出来なこととがあります。それは太陽光や照明によってできるハイライトの調整です。ハイライトとは絵画や写真で、光源に照らされ特に白く見える部分のことです。

主要な光源としてスカイドームライトを利用し、ハイライトを得るため通常のライトを利用すると、より演出のきいたレンダリング結果を得ることができます。これにより屋外でのシーンを再現したレンダリング結果を得られます。

スカイドームは、どこで調節できるの?

お待たせしました。

HDRIを理解していただければ、いよいよhdriを利用したスカイドームライトの設定を行っていきます。

ただ、スカイドームなんて項目を編集できるパネルは見たことがない、と疑問に思ったかもしれません。ですがレンダリングをするうえで、絶対に見たことがあるはずです。

そしてヒントとしては、スカイドームはレンダリング結果にしか映りこまないライトであるということでしょうか。ビューポートでは通常は光源として表示されていません。レンダリングした画像でしか映らないのがスカイドームライトの特徴です。

ここまでいうと分かった方も多いかもしれませんが、スカイドームライトはレンダリング設定パネルで編集が可能です。

それではさっそく、Render Settingsタブを開いてみましょう。Editor→Environment(環境)を選択してください。ここでhdriを設定することができます。

ですがhdriを設定する前に、重要な項目を1つ説明しておきます。それが[environment Mode]です。これはライトの設定を制御する、重要な項目の1つです。

Environment Mode

  • Dome and Scene:ドームとシーンのライト
  • Dome Only:ドームのみ
  • Sun-Sky Onry:太陽と空のみ
  • Scene Only:シーンのみ

ここで言うドームとは、スカイドームのことです。

つまりDome and Sceneを選べばHDRIを使ったスカイドームライトと、シーンに配置したライトの2つを利用することができます。シーンに配置されたライトのみを使いたい場合は、Scene Onlyを使えばドームライトは無効化されます。

またもう一つ気になるのがSun-Sky Onryではないでしょうか。

これは完全に屋外専用ではありますが、レンダリング結果に実際の太陽の光をシュミレーションすることができます。こちらはまた後程、詳細を説明することにします。

ドームの設定をしてみよう

Environment ModeはDome and Sceneに設定しておいてください。それではさっそく、項目の設定について説明していきます。以下がドームの設定項目の詳細ですが、すべてを覚える必要はありません。

最低限、よく使うものを利用して本チャートリアルを進行していきます。

  • Dome Mode:ドームの形状を選ぶことができます。
  • Draw Dome:ドームの画像をレンダリング結果に描写するかどうかを選べます。
  • Environment Intensity:環境の明るさを調節することができます。
  • Environment Map:環境マップを指定します。これがhdriの画像です。
  • Environment Lighting Resolution:環境照明の解像度を指定します。解像度が高いほど、環境マップがより詳細にレンダリング結果に反映されるようになります。ただし、そのぶんレンダリング時間が伸びます。
  • Environment Lighting Blur: -少量のぼかしフィルターを適用するかどうかを選択します。このオプションを有効にすると、環境が低解像度の場合の表示品質が改善する場合があります。
  • Dome OrientationX/Y/Z:ドームをそれぞれの軸の方向に回転させることができます。
  • Dome Rotation:ドームを回転させることができます。影の方向を調整したいときに便利です。
  • Ground Texture Scale:環境マップの地面のテクスチャのスケールを調整します。環境マップを撮影したさいの、実際のカメラが配置された地面からの距離を想定して調節できます。ただし無限投影では効果が反映されないようです。
  • Ground Position Mode:地面の位置を自動で調整するかどうかを指定します。
  • Draw Ground:地面を有効にするかどうかをしていします。ようは地面に影を描画するかの設定です
  • Ground Shadow Intensity:地面に落とす影の濃さを調節できます。
  • Matte fog:フォグを描画するかどうかの指定ができます。オンにするとフォグに関する設定項目が表示されます。距離に応じてかすみがかったようなレンダリング結果を得ることができます。

この設定項目の中でよく使う項目は4つです。ほかの項目は必要に応じて編集してみてください。

  • Environment Intensity:環境の明るさを調節する
  • Environment Map:hdriの画像を設定する
  • Dome Rotation:ドームを回転させる
  • Draw Ground:地面に影を落とすかどうかの有無

それでは設定を進めていきましょう。まず最初にするのがHDRIの画像選びです。先ほど紹介した『HDRIHaven』様サイト以外にもHDRIの画像を無料で配布しているサイトはいくつかあります。

屋外だけではなく、撮影スタジオや洞窟、室内のhdriの画像があります。複数の光源がある画像もあり、様々なレンダリング結果を作ってくれます。

また撮影スタジオのHDRIの画像を利用する場合は、HDRIの画像の向きを特に注意してください。撮影スタジオの場合、特定方向から撮影するのを前提としてライトやレフ版、バックスクリーンが設置されている場合があります。

そのような画像を利用する場合、Draw Domeをオンにして背景にHDRIの画像を表示し、適切な位置へと画像をDome Rotationで回転させて利用するようにしてください。

HDRIの画像を設定する

hdriの画像を変更するだけでレンダリング結果が大きく変わります。画像を変更するだけで、すべてのライトの配置を変え環境光を変更することができます。

それではhdriの画像をダウンロードしたら、さっそくこの画像をセットしてみましょう。

方法は簡単です。

Environment Mapの画像枠をクリックすると、どの画像をセットするかを選べます。そこでBrowseを選択して、先ほどダウンロードした画像を選択するだけで完了です。

これでhdriの画像が変更されました。

DrawStyleをNVIDIA Ilayに変更してみるとライトの配置が換わったのが分かるかと思います。

光源の方向を調整する

次に光源の方向を設定してみましょう。Dome Rotationでドームを回転させてみましょう。

これで影の向きを調整できます。利用した画像によってはDraw Domeをオンにしてドームの画像を表示しながら調節するのもいいかもしれません。

明るさを調整する

最後に明るさの調節をします。

Environment Intensityで明るさを調節することができます。レンダリングしたい明るさに設定してみてください。

これでドームの設定は完了しました。どうでしょう、簡単にできましたか?

仕上げにハイライトを加えてよりリアルに

これだけでも十分に美しいレンダリング結果を得られるかと思います。ですが、さらに照明を1つ加えるとハイライトをつけることができるようになります。

今回は屋外のシーンのライティングをしています。そのため光源は太陽のみです。そのためディスタントライトを1つだけ加えるようにします。

ライトの設置のやり方はCreate→New Distant Lightで設置することができます。ディスタントライトはシーン全体をカバーすることができる指向性ライトです。

オブジェクトとしてライトが作成されますが、その位置が光源の位置ではありません。ディスタントライトのオブジェクトは矢印の形をしており、矢印の方向に向かって遠方から平行に光が差し込んできます。現実の太陽に相当するライトです。

ディスタントライトは回転させることで、差し込んでくる光の向きを変更することができます。

陽光のHDRIを利用する場合、ディスタントライトはどこに向けて照らすの?

さて、ディスタントライトが配置されました。それではどこに向かって照らせばいいのでしょう。

どこでもいいから照らしてハイライトをつければいいのでしょうか?じつは太陽が出ている屋外のHDRIの画像を利用している場合、照らすべき向きの基本というのがあります。

それはHDRIに指定されている画像に写っている、太陽の向きから照らということです。

じつは現状のHDRIの技術では、太陽が持つ高輝度を再現しきれていません。そのためハイライトを追加するという意味で、太陽と同一の方向からライトで照らすという場合が多いです。

もちろん演出を重視して光源の向き以外から照らしても別にかまいません。

ですがフォトリアルな画像を作るさいの基本として、屋外で太陽が出ているHDRIを利用する場合、太陽の向きから照らすとリアルな画風になるということは覚えておいてください。

ライトの明るさはどれぐらいがいいの?

それでは最後に配置するディスタントライトの明るさはどうするのかについてお話します。

メインのライトはhdriを利用したドームライトです。ドームライトでは再現できないハイライトを得るのが目的なので、ディスタントライトの明るさはそれほど必要はありません。

ただ1つ注意してほしいことがあります。シーン全体を明るくしたいと思った場合はドームライトのほうで明るさを調整するようにしてください。ディスタントライトはあくまでもハイライトをつけるのが目的です。

レンダリング画像を制作するうえで、光は重要な項目です。ただ、基本的な配置はありますが、それが常に正解というわけではありません。1つの技法がすべてを解決するというほど単純なものではありません。

ライティングの長い旅へ

あくまでも今回お伝えしたのは基礎的なことです。

ライトの配置は作風によって大きく変わります。ライティングという作業は絵をかくことに近い作業です。今回説明したのは、ライティングのほんの基本の部分にすぎません。絵をかくというのにも練習がいります。そしてそれは、ライティングにも当てはまることです。

HDRIを利用したスカイドームは光のシュミ―レーションをしてくれますが、演出はしてくれません。これはDazStudioにかぎらず、総合3Dソフトと呼ばれる類のソフトでも同じことです。

ライトの配置は基礎となる知識と感覚的なセンスが重要かもしれません。あくまでも基本を守りつつも自分のセンスにあったライトの配置を考えてみてください。

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